いつだって、軽くて速くて
気持ちよく!

<This is our sports car!>

五感で走れる小さなレーシングカー LOTUS ELISE

他の3台から乗り換えると、エリーゼは別格だった。太いサイドシルをまたぎ、身をかがめるようにして乗り込むコックピット。剥き出しのアルミフロアと、背中が真っ平らなバケットシート。特に今回試乗した『スポーツ220II』は足まわりが少し固く、転がりだしから突き上げを隠さない。これと呼応して、低速では重たいステアリングがスパルタンさを一層盛り上げる。

しかし速度が上がると、その重さがスッと消える。そこからはエリーゼにしか味わえない、鋭さと安定感が絶妙にバランスした走りがシャワーのように降り注いでくる。理屈より五感で走る感じは、バイクやカートに近い。

ロータスがなぜ自然吸気エンジンをディスコンしたのかは定かでない。本来ならば500万円を切るラインナップは絶対留めるべきだが、それでもこの1.8リッタースーパーチャージャーには大きな価値があると思う。過激に過ぎず、どこからでも25.4kg-mのトルクを盛り上げる能力を得たエリーゼは、その華麗なターンインだけでなく、オーバーステアをも自在にコントロールする術をも身につけた。そしてこのスポーツ220IIのように足まわりを固めて行けば、さらに反応速度の速い、本能的な走りの世界を手に入れることができる。

こんなに小さいスポーツカーが、こんなにも速くて、コントローラブルなのは奇跡だ。ロードスターの影響を受け、四半世紀もアルミ製バスタブシャシーを使い続けた頑固さは、いつまでも古くならない。エリーゼ・スポーツ220IIは、小さなレーシングカーである。

今回の取材車は、エリーゼ・スポーツ220IIをベースに、ロータスの歴史をコンセプトに仕立てられた日本特別限定車。レッド、グリーン、ブルーの3種類のストライプペイントと、それに合わせた専用インテリアカラーパックが奢られる。
さらにディーラーオプションでデタッチャブルハードトップが用意されている。
アルミバスタブシャシーのコックピットは、走る以外の要素を極力排したストイックな空間。
アルミ製シフトレバーの根元はスケルトンになっていて、軽量化はもちろん、“操っている”感を盛り上げてくれる。
適度なホールド感のあるシート。アロエグリーンは「ヘリテージ・エディション」専用色だ。
1.8リッターの直4スーパーチャージドエンジンは220ps/25.4kg-mというスペックで、わずか900kgあまりの軽量ボディを力強く加速。
12スポーク鍛造ホイールはフロント16インチ、リア17インチの前後異径。

SPECIFICATION
LOTUS ELISE Heritage Edition
全長×全幅×全高:3800×1720×1130mm
ホイールベース:2300mm
トレッド(F/R):1455/1505mm
車両重量:904kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC+スーパーチャージャー

総排気量:1798cc
最高出力:220ps/6800r.p.m.
最大トルク:25.4kg-m/4600r.p.m.
サスペンション(F&R):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(F&R):ベンチレーテッドディスク
タイヤ(F/R):195/50R16/225/45R17
価格:789万5250円

走りの楽しさをギュッと凝縮した軽 HONDA S660

S660の素晴らしさは、この驚くべき“小ささ”だ。軽自動車として登場したのはビートの流れを汲んだこともあるが、この小ささを当然のものとして認めさせるための免罪符に過ぎない。むしろ軽自動車として考えてしまうと、「ちょっと高いなぁ……」とこぼしてしまうことになる。

830kgという車重だって、このサイズならもっと軽く作れたと思う。でも、ホンダは軽さより剛性を取ったのだ。64psに規制されたパワーでも、走りの楽しさをシャシーで実現しようとしたのだと、ボクは思っている。

だからS660に乗ると、ボクはいつもパワーが欲しくなる。このシャシーであれば、駆動系の問題はひとまず置いといて100psは余裕。ロードスターと同じくらいパワーを出したら、最高のリトルミッドシップになる。

S660で走っていると、全ての道にラインができる。慣性モーメントが小さいから、旋回速度はめっちゃ速い。ボディが“こっちり”しているから、それでも怖くない。ステアリングの切り方。ブレーキの踏み方。ひとつひとつの操作が細かく反応として現れるから、飛ばそうが飛ばすまいが、運転と濃密に向き合える。ロードスターと違うのは、その高いグリップをひとつの性能として、きちんと個性にしていること。ハンドルを切れば素早く立ち上がるコーナリングパワー。カートライクなダイレクト感は、まさにホンダの頑固さであり魂だ。時代錯誤でも構わないからエンジンをぶん回せ。S660に乗れば、退屈なんてない!

軽自動車の規格いっぱいのボディサイズで車輪は四隅に配し、塊感のあるボディ。車高の低さゆえ、実際以上に小さく見える。
ソフトトップはABピラー間のみのタルガトップタイプ。オープン時には幌を巻いてフロントの収納スペースに。リアウインドウが電動で開閉するのはエンジン音を聞くための趣向。
ドライバーオリエンテッドなデザインで囲まれ感のあるコックピット。センターにささやかながら小物置きスペースが用意されている。
6速M/Tのシフトノブは、上位グレードのαでは本革巻きとなる。
シートの間には1本分のドリンクホルダーや、袋を下げるフックといった収納が設けられている。
リアミッドに収まる660cc直列3気筒ターボエンジンは、最高出力こそ規制の64psに留まるものの、最大トルク10.6kg-mを2600r.p.m.の低回転から発揮する。
タイヤは前15インチ、後16インチの前後異径。

SPECIFICATION
HONDA S660 α(6速M/T)
全長×全幅×全高:3395×1475×1180mm
ホイールベース:2285mm
トレッド(F/R):1300/1275mm
車両重量:830kg
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ

総排気量:658cc
最高出力:64ps/6000r.p.m.
最大トルク:10.6kg-m/2600r.p.m.
サスペンション(F&R):ストラット
ブレーキ(F&R):ディスク
タイヤ(F/R):165/55R15/195/45R16
新車時価格:232万1000円

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