長年に渡って愛され続けたのは
シンプルでベーシックだから!

<ENJOY HISTORIC CARS!>

楽しみ方は千差万別 ROVER MINI

続いて乗ったミニは、最終型のインジェクション仕様メイフェアをベースに、マーク I 仕様に仕立てられた個体そのため可愛らしさよりも懐かしさが前にくるし、こちらも現在の軽自動に収まる外寸ながら、126よりかなり大きく見える。

昔はこのマーク I 仕様のようなモディファイに、眉をひそめる人もいたけれど、いまならクラシカルなスタルと高年式ならではの安心感を両立した遊び方として、好意的に見る人が多いのではないだろうか。

インパネもマーク I 仕様で、全幅にわたる棚にメーターとルーバーを置いただけ。メイフェアのオリジナルだったチェックのシートが、クラシカルな造形に似合っている。ドライビングポジションは126以上に独特。かなりペダルをオフセットしているうえにステアリングが上を向いている。設計者アレック・イシゴニスの顔が見える環境だ。

後席にも僕がなんとか座れるパッケージングはこのドラポジのおかげもあるし、サスペンションやホイール/タイヤを小さくまとめたことも効いているはずだ。

インジェクション仕様なので始動はキーを捻るだけ。掛かった瞬間、低い排気音と硬質な振動がキャビンに伝わってくる。ちょうど60年前に生まれた横置きエンジンならではのライブ感もまた魅力のひとつだ。A/Tではあるが小さく軽いボディに1.3リッターなので、加速はまったく不満がないし、音や振動が勢いの演出役になってくれる。打てば響くようなレスポンスはA/Tでもしっかり味わえる。

それでいて流しているときはスムーズ。目の前にあるクラシカルなインパネを見ながらイージードライブでクルージングするというスタイルは、逆にモダンな体験に感じられた。ロングセラーならではの味わい方だ。

一方でステアリングには、今回の4台すべてがそうだがパワーアシストはない。前輪駆動車なので低速では重い。けれどもスピードが乗れば気にならなくなるし、切れ味の鋭さは元祖ゴーカートフィール。交差点を曲がるだけでもスポーツマインドが湧き上がる。

このハンドリングと乗り心地のバランスは、ハイローキットを入れたり、スプリングをラバーからコイルに換えたりして、自分好みにチューニングできる。これもまたミニのいいところ。どう楽しむかをいろいろ選べるというところも、このベーシックカーがエバーグリーンな存在でいられる理由のひとつだろう。

1959年のデビューから2000年の生産終了まで、ほぼ姿を変えることなく生産され続けたミニのエクステリア。完成されたパッケージが為せる技。
エンジンとミッションを上下に重ね、コンパクトなレイアウトとしたパワートレーン。撮影車両は1.3リッターのインジェクション仕様で、エアコンも装備されている。
インパネはノンオリジナル。Mk-I仕様のセンターメーターレイアウトへ変更されている。ステアリングが立ち気味なので、ドライビングポジションは独特なスタイル。
スミス製のセンターメーターへ交換。回転計はステアリングコラム上に設置。
ラゲッジルーム内にガソリンタンクが置かれる。奥行きがあるので実用性は高い。
シートそのものは小ぶりだけれど、クッションも十分あって快適。
広くはないけれど、オトナも乗れるリアシート。
メイフェアは12インチが標準タイヤとなるが、10インチに変更されている。
意外かと思われるが、ミニには3速A/Tもラインナップされた。

SPECIFICATION
ROVER MINI
全長×全幅×全高:3075×1440×1330mm
ホイールベース:2035mm
トレッド(F/R):1250/1205mm
車両重量:720kg

エンジン:直列4気筒OHV
総排気量:1271cc
最高出力:53ps/5000r.p.m.
最大トルク:9.3kg-m/2600r.p.m.
サスペンション(F/R):ウィッシュボーン/トレーリングアーム
タイヤ(F&R):145/70R12

TOPICS

AUSTIN MINI(ADO15)
1959年のデビュー当初は、オースチン・セブンまたはモーリス・ミニ・マイナーと呼ばれた。ADO15は当時の開発コードの名称。
AUSTIN MINI COOPER
ジョン・クーパーによってチューニングされた、オースチン&モーリスのクーパーは1962年にデビューした。当初997ccのエンジンを搭載。
MINI1000HL
1982年にミニの輸入権を持つ日英自動車が、日本向けの仕様車として販売。999ccのエンジンに4速M/T、10インチホイールを採用。
MINI MAYFAIR
1985年に輸入権がオースチン・ローバー・ジャパンへと移行。グレードをメイフェアに統一する。999ccのエンジンに4速M/T&A/Tを設定。
MINI COOPER PAUL SMITH
1998年にファッションブランドのポール・スミスとコラボしたモデル。特別カラーや専用デザインのメーターなどを装備。1500台が限定販売。
MINI KINGHTBRIDGE
クラシック・ミニのファイナル・エディションとして2000年に販売された。大きなオーバーフェンダーと13インチのホイールを装着。
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