長年に渡って愛され続けたのは
シンプルでベーシックだから!

<ENJOY HISTORIC CARS!>

全てにおいて合理的で使いやすい RENAULT 4

そんなミニから乗り換えたのは、同じ前輪駆動のキャトル。ドーバー海峡を隔てると、ほぼ同じ時期に生まれたベーシックカーがこんなにも違うのかと再確認させられた。

世界でいち早くハッチバックを採用し、ドアも4枚あるうえに背が高い箱型のキャビン。最近の乗用車のトレンドに近いパッケージングでもあり、半世紀前にそれを確立したのは凄い。おかげで現在のコンパクトカーを超えるのではないかと思えるほどの使い勝手の良さを誇る。

一方でサイドウインドウはスライド式だし、ドアオープナーは穴の中に隠されているし、作りは道具に徹している。取材したのは最終型のGTLで、インパネは当時のサンクに似たモダンなデザインになっているものの、高級に見せようなどという色気は感じない。すがすがしい合理主義が伝わる。

その代わりシートは、幅こそ狭いものの厚みがあって快適。後席についても同じだ。仕立てはシンプルながらこういう部分に手を抜かないのはさすがフランス生まれ。ドアも4枚だしクーラーもついているから今でもファミリーカーとして使えそうだ。ドライビングポジションも今回の4台ではいちばん癖がなかった。

GTLのエンジンはキャトルで最大の1.1リッター。よって力は十分だ。他の3台と比べると音の演出は控えめだけれど、低回転でののどかな響きが回すにつれて揃っていくのはこの時代のルノーらしいところで、独特の味わいがある。

シフトレバーは同じフランス生まれの『シトロエン2CV』同様、インパネから生える。現在の国産ミニバンなどに受け継がれたレイアウトだ。操作しにくいのでは? と思う人がいるかもしれないが、そんなことはない。

ステアリングから近いので扱いやすいし、手の動かし方も楽で、ゲートはわかりやすい。慣れればこれもいいと思うはずだ。エンジンに余裕があるのでひんぱんなシフトは必要ないし、ギア比が高めなので速度を上げていってもノイズは気にならない。

乗り心地はとにかくストロークがたっぷり取ってあり、動きはゆったりしていて、しかもフラット。先月乗ったセーズと似ていることは最初に書いたとおりで、ここだけ取り出せば多くの新車のコンパクトカーより上ではないかと思うほどだ。

逆にハンドリングは、126やミニのような楽しさは控えめで、前輪駆動ということもあってステアリングは重く、コーナーに入ると大きくロールする。車体を揺らさないようにスロットルワークに気をつけ、コーナーに車体を投げ込むようにして回ると、エンジンをキャビン寄りに積んだがゆえのバランスの良さが、信頼のおける接地感ともども味わえる。

しかも直進安定性は今回の4台ではダントツで、どこまでも走っていこうという気にさせる。ロングツアラーとしても使えそうな1台でもある。

ルノー4は1961年から1994年まで生産され続けた。ミニマムなサイズながら、使い勝手の良い広大なスペースを確保した。
4気筒のエンジンはFFながら縦置きのレイアウトが採用された。
撮影車両は1986年式のGTL。インパネの素材は樹脂製で、収納スペースが多数設置されている。高年式にはエアコンも装備される。
速度計と燃料計のみのシンプルなレイアウト。おびただしい数の各種警告灯が並ぶ。
シフトレバーは2CVと同じ、インパネから生える。手前左側が1速で、操作はすぐに慣れる。
フランス車の真骨頂ともいえるクッションの厚いシート。快適な乗り心地。
リアシートは足元も頭上も十分なスペースを確保する。
実用的なクルマでありながら、キャンバストップを備えるあたりに遊び心がある。開放感のある走りが楽しめる。
フロントもリアもウインドーはシンプルなスライド式を採用する。
135/SR13という細身のタイヤを装着するので、ノンアシストのステアリングでも軽々と操作可能だ。足周りはストロークのある柔らかな設定で、快適な乗り心地を提供しながらも粘り強いコーナリング特性を見せる。
フラットなフロアのラゲッジルームは、高さも奥行きも十分に確保されて実用的。リアシートを折り畳むことも可能だ。

SPECIFICATION
RENAULT 4 GTL
全長×全幅×全高:3690×1510×1530mm
ホイールベース(L/R): 2400/2450mm
トレッド(F/R):1280/1245mm
車両重量:700kg

エンジン:直列4気筒OHV
総排気量:1108cc
最高出力:34ps/4000r.p.m.
最大トルク:7.5kg-m/2500r.p.m.
サスペンション(F/R):ウィッシュボーン/トレーリングアーム
タイヤ(F&R):135 /SR13

TOPICS

R4L
1961年にデビューした4は、標準モデルのR4、6ライトウインドウのR4L、商用タイプのフルゴネットの3グレードが設定された。
4 FOURGONNETTE
リアシートを廃しラゲッジ容量のスペースを拡大したフルゴネット(小型貨物車)。2ドアのボディに、後部のルーフも一段上がっている。
4 PLEIN AIR
コーチビルダーのサンバール社とルノーによって改造されたプレネール。ドアすら持たないユニークなオープンモデルは1968年に発売。
4L
1975年の改良によって、フロントグリルが樹脂製のものへと変更。モダンな雰囲気となった。装備の違いによって3つのグレードが設定された。
4 GTL
1978年にはグレーのオーバーライダーやサイドモールを備えたGTLを設定する。エンジンは直4OHV1108cc (34ps)を搭載した。
4 GTL CLAN
1986年登場したGTLクランは、GTLの装備をより豪華にしたモデル。同時期にTLをベースに独自の内外装を採用したTLサバーヌを発売。
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