ベストエキシージを探せ!

<PLAY WITH BRITISH CARS>

S1に比べると大幅なパフォーマンスアップで速度域はグンッとあがるが、S2はリアサスペンションが改良されているから、安心感があってアクセルを踏んでいける。今回の試乗車はビルシュタイン製車高調整式サスペンションが組み込まれていることもあって、少ないロールながらロータスらしいしなやかさも持ち合わせていて、エキシージSのほどよいパワフルさと絶妙にバランスしていた。ワインディングを楽しむのにぴったりのモデルだろう。

2012年に登場したエキシージS3は従来のエリーゼと基本のシャシーを共有するモデルとはまったく違う。3.5リッターV6スーパーチャージャー・エンジンを搭載するためにリアを専用設計としてスーパースポーツの領域に踏み出したのだ。S2でもライトウェイトをいかして500ps級の格上モデルを追い回し、時にはコーナーで抜き去ることもできたが、長いストレートで抜き返されるのがオチ。ところがS3ならばその心配もいらない。パワーは当初の350psから最新の430psまで増強され、モデルサイクルのなかで軽量化も図られている。

当初は重く、重心も高いV6エンジンの搭載を考慮してか、リアを徹底的に踏んばらせる傾向にあった。逆に言うとフロントは少しフワついた印象で、ワインディングの登り区間などではアンダーステア気味。ただそれも時とともに是正されて前後バランスは良好になっていった。ただし、パフォーマンスが高いゆえにロータスとしてはサスペンションが硬めでハンドルは重く、コーナリングは格闘するようなイメージを持っていたが、今回の試乗車は望外に乗りやすかった。まったくのスタンダードだというエキシージS。まるでオリジナルのエリーゼを思わせるようなしなやかさと、無理なくヒラリヒラリとコーナーを舞っていく感覚がある。S3にも幾度となく試乗しているが、そういえばいつもハイパフォーマンスでハードなモデルばかりだった。発売当初はスタンダードにも乗ったはずだが、熟成されてバランスが良くなったS3の素の姿は、これぞロータスという乗り味になっているのだ。

そうは言っても速さは相当のものなので、ワインディングでは気が抜けない。ひとたび右足に力を込めれば、トヨタ製エンジンとは思えないほどの雄叫びとともに猛然とダッシュ。これに比べるとS1は平和そのもので、S2も手の内に収めて乗れる自信があった。S3はシャシーが素直で乗りやすいものの、気軽に全開にするのは躊躇うぐらいだ。それだけに、クルマに慣れるに従って徐々にペースを上げていき、アクセルを踏み抜けたときの歓びは何物にも代えがたい。気がつけば手と背中が少し汗ばんでいた。文字通り、いい汗がかけるスポーツカーなのだ。

歴代エキシージは、どれもロータスの硬派な面をクローズアップしたモデルだったが、必要以上に手強いということはなく、そのパフォーマンスのわりには一体感が高かった。これこそライトウェイトの威力と、ロータスならではのライド&ハンドリングの恩恵だろう。

S1は現代ではあり得ない軽さが大いなる魅力。今となってはそれほど速くはないが、ABSさえ付いていないプリミティブなモデルとしていいバランスだろう。速すぎないからじっくりと楽しめるのもいい。S1だと古さゆえに少し気を使う面もあるがS2ならばガンガンと乗り倒しても心配なさそう。かなりの速さだが、それなりに腕に自信があるドライバーだったらワインディング・ベストなバランスだ。S3は、その高いパフォーマンスに挑戦する興奮がある。エンジン自体にも「パワー」という魅力があるので、高速道路での瞬間的な加速なんかでも楽しめる。

どれを選ぶのが幸せなのかは、各ドライバーのスキルや好み次第だろう。個人的なベストを探ろうと思ったが、S2とS3で迷いまくり、いまだ答えは出ていないのだった。

スーパーチャージャーによる強力な加速 LOTUS EXIGE Sr.2

Sr.2 BUYERS INFORMATION

二代目はトヨタエンジンになってかなりメンテナンスが楽になったのは事実。エンジンに関しては、スポーツカーとして普通に接していれば壊れることはないだろう。二代目最大のトピックは、電子スロットルの採用。2006年式から電子スロットルが採用されたわけだが、電子スロットルの有り無しでフィーリングがかなり変わる。全開走行では違いはないが、パーシャルスロットルから踏み込んだ時のフィーリングが、機械式は荒々しく、電子スロットル付きは自然に立ち上がる。ここは完全に好みの問題でもあるので、どちらがいいという話ではない。

ただ、電子スロットルが付いたから、2006年後半からSCを付けられることになったのも事実だと思われる。なので、機械式スロットルの最高峰は2005年発売の240R。SC付きは260R。ただ、SC付きはインタークーラーがエンジン上部にレイアウトされるため重心が少し上がるので、低重心であるNAの操作性を好む人もいる。

初代に比べてパワーがある分、そして三代目に比べると思いっきり回して楽しめる分、二代目はクラッチやミッションの寿命も早いという。

ストックのメーターは、液晶のドット抜けなどは修理にて対応が可能だが、針がピョンピョン跳ねたり、不審な動きをする場合は交換となる。ただこれは湿気が影響していることも多く、乾燥材を入れておくと治ってしまうこともあるので、症状が出たら試してみる価値大だ。

第2世代エキシージの登場は2004年。自然吸気のトヨタ製2ZZユニットは、後にイートン製スーパーチャージャーが組み合わされそのパフォーマンスを飛躍的に向上させてゆく。
エキシージSのタイヤ&ホイールはフロント16インチ、リア17インチが標準となる。専用キャリパーなどによりブレーキ容量などが高められたスポーツパッケージも用意された。
スーパーチャージド・エキシージのプロダクションモデルとなる「エキシージS」は2006年に登場。Sr.2では動力性能のみならず、快適・安全装備面でも細部に渡って進化を果たした。
トランスミッションは6速M/T。シートには前後スライド機構が備わる。車内各部にはアルミモノコックがむき出しとなるが、遮音性の高い防音パッケージが用意されるなど快適性は高められている。
エキシージSr.2初期モデルではセンター2本出しのマフラーレイアウトを採用。2006年登場の「S」では、オーバル型マフラーのセンター1本出しとなるのが特徴だ(撮影車両は社外パーツによるカスタム済み)。
固定式の大型リアウイング。撮影車両はアフター品へ交換されている。後期型はステーの位置が変わり、形状も変更された。
ルーフ上にはSr.1同様、エンジンルームへとエアーを導くエアスクープがあしらわれる。
ヘッドライトは中に水滴が付くようになったら、交換か、一度割って(いわゆるカラ割り)しっかりとコーキングして対処するしかない。
リアランプは周囲を多数のLEDライトでグルリと囲んでいるが、一個でも点灯しないと車検には通らないので、修理の必要がある。

SPECIFICATION
LOTUS EXIGE Sr.2
全長×全幅×全高:3805×1725×1160mm
ホイールベース:2300mm
トレッド(F/R):1455/1505mm
車両重量:930kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC+SC

総排気量:1795cc
最高出力:221ps/7800r.p.m.
最大トルク:22.0kg-m/5500r.p.m.
サスペンション(F&R):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(F&R):ベンチレーテッドディスク
タイヤ(F/R):195/50R16/225/45R17
新車当時価格:730万円〜

ついにスーパースポーツの領域へ LOTUS EXIGE Sr.3

Sr.3 BUYERS INFORMATION

三代目は、オーナー像も初代、二代目とは大きく異なる。3.5リッタースーパーチャージャー搭載で350psあり、高速巡行も格段に楽になって、ポルシェオーナーの関心を引くほどになった。エンジン、クラッチ、ミッション共にメンテナンスいらずだが、サーキットを走るような場合だと、寿命がガクッと落ちるので覚悟が必要だ。

中古車市場ではレースパック付きがほとんどだが、付いてないからと言って諦めるのはもったいない。なぜなら素のエキシージほど、ロータスらしいスポーツカーとして魅力的なクルマは他にないからだ。快適で速く、いざとなればスポーツカーをガンガンカモれる。600万円の予算でここまでのクルマはそうそうないだろう。

エキシージすべての世代に言えるのは、ヘッドライトに水が入ることと、ラジエターはある程度のところで水漏れを起こすこと。これらは早めに対策を講じるか、あるいは寿命として諦めるかしかないだろう。

新たに3.5リッターの排気量を持つV6スーパーチャージドユニットを心臓部に選んだ新世代エキシージ。最高出力350ps/7000r.p.m.、最大トルク40.8kg-m/4500r.p.m.のビッグパワーを手に入れた。
2011年に発表された第3世代のエキシージは、V型6気筒3.5リッタースーパチャージドエンジンに6速M/Tの組み合わせでデビュー。ドライビングマネジメントシステム「DPM」の採用も話題となる。
スケールアップしたエンジンを搭載するリアセクションのフレームは新設計となるが、メインモノコックはSr.1から受け継ぐ。ボディサイズは大きくなっているが、キャビンのテイストは不変である。
シートももちろんフルバケットタイプだ。
タイヤ&ホイールサイズはフロント17インチ、リア18インチが標準となる。ブレーキシステムは前後共に332φのローターとAPレーシング製4POTアルミキャリパーの組み合わせ。
マフラーはオーバル形状のセンター出しデザイン。エアロダイナミクスの洗練により高速安定性も高められた。
大きな故障は少ないが、マイナートラブルは少なくない。調子が悪くなったらリレーなどもチェックしてみるのがいいだろう。

SPECIFICATION
LOTUS EXIGE Sr.3
全長×全幅×全高:4080×1800×1130mm
ホイールベース:2370mm
トレッド(F/R):1499/1548mm
車両重量:1180kg
エンジン形式:V型6気筒DOHC+SC

総排気量:3456cc
最高出力:350ps/7000r.p.m.
最大トルク:40.8kg-m/4500r.p.m.
サスペンション(F&R):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(F&R):ベンチレーテッドディスク
タイヤ(F/R):205/45ZR17/265/35ZR18
新車当時価格:955.8万円〜

PROFILE

石井昌道

ティーポ出身の自動車評論家。国産/輸入車、スポーツカー/エコカーとどのジャンルにも精通する。愛車はBMW3シリーズのディーゼルと、ポルシェ911(タイプ997)。

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