アウトパンダ

スペシャルショップ紹介

初代パンダオンリーの強み

小さな敷地内にぎっしりと詰め込まれたイタリアンピッコロ。「物理的にこのサイズ以外は扱えないんですよ」と代表の下江さん。

アウトパンダの成り立ち

きっかけは20世紀末に訪れたパンダブーム

1997年にパンダカップという初代パンダのワンメイクレースが開始されたのをご存知だろうか? 日光サーキットをメインに、年間4戦のシリーズ戦が開催されていたのだ。何を隠そう取材担当者も当時、開幕戦から参戦していたのだ。

今回取材したアウトパンダ代表の下江勝さんも、開幕戦から参戦していたから、20年以上前からの知り合いでもあった。取材とはいえついつい昔話に花が咲いてしまい……、とここは関係ないので本題に戻ろう。

当時下江さんは、とあるドイツ車のパーツショップで働かれていた。もともとクルマ好きとはいえ、パンダとは正反対と言える車種であった。本人はイタリア車が好きでアルファロメオ75に恋焦がれ、イタリア車専門ショップに出向いたのが運のツキ。75を手に入れたものの、そこには、その後パンダカップを主宰することになるN氏をはじめ、現在湘南でガッティーナを営むS氏、同じくパンダ専門店を立ち上げるY氏と、錚々たるメンツが働いたり、業者として出入りしていたりしたのだ。彼らと年代が一緒であった下江氏は次第に入り浸るようになり、手伝いをはじめ、当時その専門ショップにあったパンダと出会う。

そこのメンツにすっかり感化されてしまった下江氏は、パンダの魅力にのめり込むことになる。気が付けばパンダを手に入れ、パンダカップに参戦し、働いていたショップでは「パンダ部門」なるものを立ち上げ、隅っこで一人、パンダのパーツを切り盛りしていた。

そしてその後独立して今も続く『アウトパンダ』を立ち上げる。当時はパンダカップをきっかけにパンダ乗りが増え、中古車価格もウナギのぼり。お客さんもあっという間に増えて、忙しい日々を送っていた。

その後、手狭になったため現在の東京都国立市に移動し、ずっとパンダ一筋でお店を運営している。

お店の目印は、看板というよりも、パンダのお尻が三つ並んでいるところ。
代表の下江さん。創業から今まで、ずっとおひとりでアウトパンダを切り盛りされている。

アウトパンダに聞くパンダの魅力

すべての動作にクルマが応える、そういう意味のダイレクトさ

「パンダ一筋でやってきたのは、結果的に良かったよ。アルファや他の車種もやってたら大変だったろうと思うし。ただ、やってることは変わらないよ、もう25年? ずっと変わらないよ。」

と、下江さんは優しく微笑んだ。今までパンダをどれぐらい扱ったのか聞いてみると

「全然分からないよ、考えたこともないなぁ。パンダだけやっているおかげでクルマはいつの間にか集まるようになったね。今は部品取り車も含めれば、100台ぐらいあるのかな? コツコツ仕上げてはお客さんに渡す、を繰り返しているよ」

過去のブームの後は、お客さんはやはり減りました?

「減ったけど、乗り続けてくれる人がいるから続けてこれたね。面白いもので波があって、何年かに一度降りる人が増えるときがあるけど、その逆もあって、欲しいって人が立て続けに来ることがある。そもそもパンダってすごくダイレクトで面白く、一回乗るとしばらくは降りることがないから、そこはありがたいよね」

ダイレクトさがパンダの魅力ですか?

「そうだね。軽くて、飾り気がなくてシンプル。エンジンを鉄板で囲んで、椅子載せただけの乗り物だから、軽いよね。何もついてないから、走らせるのは自分次第。すべての動作にクルマが応えるっていうのかな、そういう意味のダイレクトさ。面白くないワケがない」

他にもありますか?

「最近は街でなかなか見かけないけど、見かけたときは『お! やっぱりかっこいいな』と思わせてくれるよね。四角いクルマだけど、いつ見ても新鮮に感じられる。こんなシンプルなクルマなかなかないから、街で見て目立つよね。でも小さいから、嫌味がない。やっぱりすごいよ、このデザインは」

これだけパンダに囲まれてても、カッコイイと思います?

「実際訪ねてくるお客さんの理由は、それがほとんど。なんか街中で見てかっこよかったと。そんな問い合わせがここにきて急激に増えだして、おかげで作業が全然間に合わない。クルマの作り自体は安いから、一台仕上げるのに手間と時間がかかる。だから、すぐ欲しいって人には『ないです』って帰ってもらうけど、でもまた来る(笑)。こっちも手を抜くわけにはいかないし、でも一人だし、待ってもらうしかないよね」

当分、続きそうですね。

「ホント仕事は溜まる一方。でも、欲しいって来てもらって、何回か話して、それでも欲しいって人じゃないと売れないし。だから面接で半分は落ちるよ。買ってからも大事にしてくれないと、クルマがダメになっちゃうからね。ありがたいことに、みんな大事に乗ってくれてる。ホント減ってきたから、大事にしないとね。自分が仕事できるうち、あと10年かそこらは残ってくれているだろうけど、それ以降どれだけ残ってくれるのか? そのためにもしっかり直してしっかり乗ってもらわないと」

お店のシンボルである非売品のパンダ45。こちらはナンバーはないものの、すぐにエンジンがかかる状態だそうだ。
海外より知人が引っ張ってきたというフィアット850。色々視ていくとクルマ本来の出来が良いので、パンダの次候補に取り扱いたい車種として持ってきたが、パンダの方が忙しくてそれどころではないとのこと。
ショップのスペースの一角では、欧州ワインを販売している。これは、今は亡き奥様が取り扱われたものだそうだが、下江さんもワインの魅力に取りつかれ、彼女の遺志を引き継ぎ、現在もごく少量だが取り扱うことにしたそうだ。
ワイン部門の店名はユンヌ・ペルル。人手が足りないので、店舗での販売のみで、ネットなどでは販売していない。以前はワイン試飲会も開催していたそうで、今の状況が落ち着いたらまたやりたいそうだ。

PHOTO/佐藤亮太

Shop Information

アウトパンダ

東京都国立市青柳3-12-2
 
FAX:042-527-5515
営業時間:10:30~19:30
定休日:火曜日

E-MAIL:abarth@autopanda.com